<2020年度事業報告>

  新型コロナは、世界中に感染が広がり大きな人的被害と経済的損害をもたらし、未だに収束見通しが立ちません。日本では、ワクチンが一部で始まりましたが、依然、油断できない状況です。

 年初から、熊管連活動も新型コロナ感染対策に翻弄され、通常総会や定例理事会を従来通り開くことが出来ませんでした。9月から、Zoomでオンライン理事会を、開くことが出来るようになりました。しかしながら、主たる事業であるセミナー開催は、三密を避けるため、対面集合で行うことが難しく、ほぼ断念せざるを得ませんでした。一方で、寄せられた相談支援件数は前年を上回りました。特に、「2021年度マンション火災保険料大幅値上げ」のは、大きな問題でした。各損保会社間では「積極的に触れない」ことが暗黙の了解です。さらに、最も大事な「成績計算期間の事故件数(支払い)と更改時の保険料への影響」についても、契約者(管理組合)への事前説明はありません。 このままでは、管理組合は、突然に次回更改時に、2~3倍(割ではない)の保険料値上げを迫られることもあります。「大幅値上げへの対応」と「成績計算期間の管理」の周知徹底は限られた時間の中で、喫緊の課題となりました。早速、「緊急連絡」を理事長宛郵送し、住民への周知徹底の為に掲示板への掲示をお願いしました。また、初めての試みでしたが、セミナー動画を制作、Webでホームページにて配信しました。同時に、理事長さんへの説明会(相談会)を8回ほど開き(26管理組合が参加)組合ごとの対応策を検討しました。結果、保険料が管理組合で100万円~470万円節減でき、個人では10年間の値上げ回避による節減額は大きかったとの報告が数多くありました

2020年度活動実績

1. 相談・助言事業

(1)相談件数

来所や電話 163件(62管理組合他)

支援で訪問   41件(23管理組合)

内訳

①法律関係 11

管理規約

共有部分

費用負担

その他

     ②管理関係 59

総会

19

理事会

管理業務委託

17

駐車場

会計決算

入会

管理費

駐輪場

ペット

その他

     ③修繕関係 52件

改修工事

19

設計監理

給排水管

長期修繕計画

業者紹介

水漏れ

劣化診断

宅配ボックス

インターホン

その他

11

     ④その他 18件

保険

15

新型コロナ感染

    (2)マンション保険相談会(勉強会)

101724日、117日いずれも土曜日に時間をずらして3管理組合毎(60/回)を8回、合計25管理組合が参加しました。

2. 情報提供事業

(1)マンション地震対応箱 

有料頒布 受注40個(累計468個)▽講演会活動 

(2)江戸川区内マンション協議会防災セミナー (WEB

第1回 日時:2021124日(日)14:00-15:30

第2回 日時:2021年2月28日(日)14:00-1:0

3回 日時:2021321日(日)14:0016:00

(3)「集住センターNEWS」の配布

(4)ホームページ、Facebook、メルマガ 

3. セミナー等開催事業

2020年度は、コロナ禍のために対面の集合セミナーは自粛しました。

(1)保険大幅値上げ対策セミナー(Web

(2)YKK ap展示場見学 

4. 調査・研究事業 

821  福管連セミナー

12月4日  主催:公益財団法人マンション管理センター

218日 日本マンション学会九州支部通常総会  

5. 大規模修繕支援事業 

(1)大規模修繕支援

(2)外壁タイル剥落修繕支援

(3)屋外分電盤更生工事支援

(4)その他の支援

LED工事、植栽工事、宅配ボックス、インターフォン設置、防犯カメラ等 

6. その他の活動 

■寄附:令和27月豪雨災害で人吉市に10万円を寄附

■マンション管理士:マンション管理士試験に渕田理事が合格、役員2人目 

 


■江戸川区内マンション協議会 防災セミナー第3回(web)

江戸川区内マンション協議会防災セミナー第1・第2回を踏まえて、熊管連及び専門家を交えた意見交換会が開催された。

 テーマ:「熊本地震で管理組合はどう対応したか」〜被災地熊本からマンション防災の知恵を江戸川区へ〜

 日時:2021年 2月28日(日)14:00-16:00


■江戸川区内マンション協議会 防災セミナー第2回(web)

江戸川区内マンション協議会防災セミナー第1回に続き、今回は、一部損壊マンションの復旧までの報告を当連合会の奥田理事が自身のマンションの例で詳細な報告をした。堀会長からは、マンションの組合員の合意形成が大事だが、そのためには資金の裏付けやネットワークによる情報が欠かせないと強調した。

 今回は、熊本市震災住宅支援課から2名参加し、江戸川区も危機管理課が参加した。全管連川上顧問、古賀福岡大学工学部元教授からもコメントがあった。

 テーマ:「熊本地震で管理組合はどう対応したか」〜被災地熊本からマンション防災の知恵を江戸川区へ〜

 日時:2021年 2月28日(日)14:00-16:00

 対 象: 江戸川区内マンション協議会会員、マンション防災調査参加管理組合、調査関係先、防災関係者様など

熊本日日新聞もセミナーを取材し、3月4日の朝刊に記事が掲載された。


■江戸川区内マンション協議会 防災セミナー第1回(web)

 江戸川区内マンション協議会 防災セミナーに当連合会が全面協力して第1回目が開催された。

「大規模震災が起きた時、マンション内が混乱する中、管理組合はどのような対応を行えばよいのでしょうか。普段、東京で暮らしていると、本当に被災した時どうしたらよいのか、わからないことはたくさんあります。今回は、熊本地震で被災し、直後から復旧まで対応された管理組合のみなさんの体験談をうかがうことで、被災に備えて本当に必要なことは一体何か、大規模地震が発生するリスクに備えて私たちが今何をすべきか、そのヒントを学びたいと思います。」という趣旨で次のとおりセミナーが開催された。2回シリーズで今回第1回目は地震直後の管理組合の動きについてがテーマであった。

 テーマ:「熊本地震で管理組合はどう対応したか」〜被災地熊本からマンション防災の知恵を江戸川区へ〜

 日時:2021年 1月24日(日)14:00-15:30

 対 象: 江戸川区内マンション協議会会員、マンション防災調査参加管理組合、調査関係先、防災関係者様など

 当連合会からは、稲田副会長が自身のマンション被災から復旧までを詳しくレポートした。他のマンションの直後の写真やマンション地震対応箱MEASのビデオも放映した。Zoomを使ったセミナーで参加者は約40名


■Webセミナー

 会員向けのセミナーがコロナ禍のために集合研修での開催が出来ません。マンション保険の値上げとその対策は緊急でしたし、会員に広く知ってもらうためにYouTubeでセミナーを配信しました。

 2021年1月マンション総合保険 大幅値上げへの対応


■相談会

日時:2020年10月 場所:熊管連事務所

 コロナ禍で当連合会の集合セミナーが開催できずにいるが、マンションの保険については喫緊の問題なので、会員のマンション管理組合数人と保険代理店との少人数による相談会を熊管連事務所にて実施している。

 2021年1月にマンション総合保険料の改定が予定されており、地震のあった熊本では改訂の幅が他県に較べて著しく高い。

 築10年以上のマンションであれば、マンション保険料は30%値上がりする。損害保険大手4社の火災保険料が2021年1月上がることとなる。保険料率を決める目安となる「参考純率」が2年連続で上がる。目安の引き上げ幅は平均5.1%で、これをもとに各社が保険料率を設定する。2018年度に起きた台風21号や西日本豪雨などの自然災害で生じた巨額の保険金支払いを反映している。マンション規模、築年数によっては、数百万円の保険料値上げが想定される。

 また、事故率の計算対象期間という仕組みが導入されるので、保険給付申請も今までと異なる事などを勉強している。10月の17日、24日、11月7日いずれも土曜日に時間をずらして3管理組合づつ合計25管理組合が参加した。 


■外壁タイル剥落修繕支援

 2016年の熊本地震により近隣のマンションに較べて外壁タイル剥落の被害が大きかったプレミスト白川公園から支援依頼があった。

 調査手順、調査費用負担などについて分譲会社や施工会社との交渉を支援した。管理組合と分譲会社・施工会社との話し合いには専門家として福岡大学元教授古賀一八氏にも同席して頂き、専門的で客観的なアドバイスを得ることが出来た。結果、分譲会社・施工会社が外壁タイルの調査費について負担することとなった。

 調査が具体的に動き始め、プレミスト白川公園管理組合と当連合会はコンサルタント契約を結び、今後の工事等について関与することとなった。


■大規模修繕支援

日時:2020年5月30日(土)10:00 場所:熊本市中央公民館

 会員のエイルマンション新屋敷レガリアは2005年5月建築で築15年で初めての大規模修繕に取り組むこととなった。設計は産絋設計が指名されて初めての設計からの説明となった。当マンション管理組合の役員は大規模修繕に不慣れなため本連合会に支援要請があったので、連合会から役員が説明会に立ち合うこととした。また、近々大規模修繕を控えている他のマンション管理組合に呼び掛けたところ、2つの管理組合も参加することとなった。エイルマンション新屋敷レガリア管理組合理事長以下3名、他の管理組合2名、当連合会役員5名が参加しての説明会となったが、コロナ感染拡大防止のソーシャルディスタンスを確保するため熊本市中央公民館会議室にて行った。

 大規模修繕は大きな金額となるので関係者間でトラブルが発生しやすい。今後も要請があれば、設計段階から管理組合への支援を行って行きたい。



■屋外分電盤更生工事支援

 某マンションから敷地内の屋外分電盤更生工事の見積もりを取ったが、妥当かどうか、また、更生工事が必要となるまで放置していた管理会社に損害賠償が請求できないかとの相談があり、2020年5月5日熊管連役員が現場を視察した。事の発端は、管理会社が変わり引継ぎ時点で、分電盤ボックスがぐらぐらしていて前の管理会社が全く点検・補修していなかった事が発覚したことであった。現場を視察した結果、防水仕様ではない屋内用の分電盤ボックスが屋外に設置されており、下面の腐食が進行していた。盤内の端子接続部分はカビと腐食で配線用遮断器の劣化が進行中と思われた。見積もりは、管理会社が見積もりを取ったが、730万円と1,100万円であった。熊管連が仕様書と図面を提示し4社に再度見積もり依頼をした。①833万円、②814万円、③440万円、④396万円の見積もりがあり、最安値の396万円での発注が8月の総会で決まった。

 熊管連としては専門的な知識を必要とし、数か月を要する依頼事項であったのでコンサルタント契約を結び、見積もりから工事完了まで支援した。熊管連が関与し、400万円弱の工事で300万~700万円セーブ出来たことになった。