くまかんれん会計シート

マンション管理組合会計シート(単式簿記)試作 


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〇マクロなし記入例付きくまかんれん会計シートフリーVer2_20221030.x
Microsoft Excel 1.5 MB

会計シートの概要についての解説動画

会計シートの実際の使い方、操作についての解説動画

記入例が入っていますので、イメージをつかんでください。マクロ付きは事務局にメールで請求してください。

Ver.2で収納管理の月別記録を月ごとのシートに変更しました。


  実際に使ったマンション管理組合の会計シートを基にマクロを強化し、未収金管理もできるようにしたものです。各管理組合にカスタマイズ(戸数を合わせる)が必要です。

特徴

 「自主管理で会計を役員などが作成しており、決算書を作成するのに苦労している。」また、「リアルタイムで会計の状態を把握したい。」というマンション管理組合のためのエクセル会計シートです。

 特徴は次のとおりです。

(1)マンション管理組合会計決算報告に必須の管理費、修繕積立金の収支計算書と貸借対照表を作成します。保険金の会計も管理します。

(2)単式簿記なので、高度な会計の知識が不要です。会計担当者が変わってもスムーズに継続できます。

(3)現金出納帳、銀行通帳を入力するイメージですので、残高を簡単に照合できます。記帳漏れや間違いを防ぎ不明瞭不正確な会計を排除できます。

(4)記帳だけで、決算書、月別収支表、予算進捗が自動で計算されますので、管理組合の事務が楽になります。

(5)汎用性の高いMicrosoft社のExcel上で動作するフリーのソフトですので費用が掛かりません。

(6)マクロでシート間の転記ができますので、ミスが少なく短時間で記帳できます。

(7)管理費と修繕積立金は未収金の管理ができます。

(8)管理費等以外は原則会計上は現金主義です。会計上の発生主義ではありませんので、決算時に工事費などの未払い金がある場合には、手入力になります。

(9)Excelの関数とマクロは公開していますので、自分のマンション用に自由に改造できます。戸数は無制限に改訂しました。カスタマイズのイージーオーダーは当連合会で有償で受けます。

目次

1.シートの概要
2.準備
3.管理費現金シート
4.管理費通帳、火災保険通帳シート
5.修繕積立金シート
6.未収金管理シート
7.管理費・修繕積立金収納管理シート
8.決算シート
9.計算シート(月別収支一覧)

1.シートの概要

Ecelを開くと、下部にいくつかのシートのタブがあります。
左から5つのシートに入力します。日々の入力は主に左の2つのシート(「管理費現金」「管理費通帳」)です。

※表の画像はクリックすると拡大します。以下同じ

2.準備(カスタマイズ)

自分のマンション管理組合の会計に合わせる準備が必要です。自分のマンション管理組合の直近の決算書を準備して下さい。

<収納管理表>

 「収納管理」タブを開き、部屋番号・区分所有者や管理費や修繕積立金などの「収納金額」を入力します。

 このシートは、債権・債務に係る大事な記録になります。

 薄緑の部分(オリジナルは白)を記入します。「駐車場代」「その他」は毎月収納するもので管理規約に基づく「管理費」「修繕積立金」に集約されるものの内訳となりますが、管理費・修繕積立金と異なり年や月で変動するので別記としています。「駐車場代」「その他」は、各管理組合で変更してください。オリジナルでは「駐車場代」は修繕積立金に計上されています。自分のマンションに合わせて集計の式は変更してください。

「その他」は、庭園使用料、バルコニー使用料、駐輪場代などがあり、管理規約で管理費または修繕積立金に計上されます。

 「管理費合計」「修繕積立合計」欄の計算式は、自分のマンションの管理規約に従った変更をしてください。最終的には決算書に反映します。

 「町内会費」は銀行引き落とし額と管理費通帳への仮入力には反映しますが、決算書等には集計されませんので、注意してください。「町内会費」は、年に一度一括引落が多いかと思います。その月だけ記入してください。

 登録が終了したら、シートの保護を掛けておきます

<勘定科目>

 集計シートを開き、自分のマンション管理組合の勘定科目に書き換えてください。勘定科目は決算書に連動していますので、自分のマンションの決算書に準じてください。番号も自由に変えることができます。

 実際の入力にはこの部分を印刷しておくことをお薦めします。

 画面スクロールすると修繕積立金等もあります。登録が終了したら、シートの保護を掛けておきます。

 この「計算シート」に各シートで入力されたものが集計されます。これを基に「決算書」及びこの「計算シート」の横の「管理費月別収支表」が作成されます。

3.管理費現金シート

「管理費現金」のタブでシートを開きます。各シート共通ですが、繰越金を入力します。繰越金は決算書から転記します。

表の最上部に会計年度の始まりの期日を入力します。この期日が全てのシートに反映されます。決算書の年度も始まりの期日の年を年度とします。

 このシートに限らず、灰色部分には入力しません。科目コードを入力すると収入支出欄が白地になるのは、一般的な誘導ですので、戻し入れは灰色に入力します。計算式は入力された数字を集計します。

 繰越金として日付、コードを入力すると、科目は自動的に表示され、灰色から白地に変更します。なおかつ収入の欄が白地に変更されますので、金額を記帳します。残高が自動で表示されます。

 日々の取引として、4月1日に事務用品を購入したとすると、今度は支出の欄が白地に変わります。記入ミスを少なくするように記入欄への誘導をするようにしています。ここに金額を入力します。

 入力計算した残高が、現実の現金と合っているか確認します。全ての入力用シートの表最上部に残高が表示されますので、現金や通帳との照合を行いやすいようにしております。 

4.管理費通帳、火災保険通帳シート

 管理費通帳シートには、「管理費通帳」と「火災保険」の表があります。

「火災保険」は、管理組合によって管理費、修繕積立金どちらで扱うか異なります。ここでは、管理費に入れています。「火災保険」は5年に1度の支払いが多いため、これを管理費、修繕積立金に集計すると決算書が見にくくなり、総会で説明するのも難しいので、別会計の様にしております。決算書では管理費なのか修繕積立金なのかを表示します。通帳も別にしておくと運用上楽です。

 他の会計シートと同じように前期繰越を前期決算書から転記します。

 口座引落が4月1日に行われた直後のイメージです。口座引落額は、「収納管理」シートで銀行からの口座引落結果報告と照合します。収納管理シートで詳しく説明します。

 口座引落が出来ものは、銀行から管理費の通帳に一度全て入金されます。修繕積立金は、修繕積立金会計に振り替える必要があり、多くの管理組合では別の通帳となっています。従って、実際通帳の振替を行った日に日付欄の「1111/11/11」を書き替えます。

 もし、管理費も修繕積立金も同じ通帳で運用されているところは、日付欄「1111/11/11」の行を削除します。しかし、別通帳を強くお勧めします。

 通帳からの振込や入金の記帳要領は、「通帳現金」と同じです。管理費関係する科目については、収入支出の欄は白地に変わります。

5.修繕積立金シート

 修繕積立金シートは、毎月積み立てたり、修繕工事費で取り崩すなど動きのある通帳、と預金保険制度(1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等を国が補償)などのために動きのない別通帳を作っていることを前提にしています。

 口座引落直後のイメージです。管理費の通帳に銀行から口座引落の総額が入金されます。日付欄「1111/11/11」を修繕積立金通帳へ口座振り替えした日付に変更して実際の通帳と合わせます。

 修繕積立金の取り崩しは、標準管理規約では管理組合総会議決事項です。総会に掛けていない工事費を間違って修繕積立通帳から支払わないように注意します。

 別通帳が複数の時には、この「修繕積立金」シートではまとめて記載します。決算書の修繕積立金貸借対照表に別記で明細を書くようにしてください。例:○○銀行○□支店30,000,000円、ゆうちょ銀行10,000,000円

6.未収金管理表

 厳密にいえば、このマンション管理組合会計シートは発生主義ではなく、現金主義です。しかし、管理組合会計の骨格となる管理費と修繕積立金の収入については、発生主義での処理しなければなりません。したがって、未収金管理が必要となります。債権処理の先取特権で裁判所に提出する債権の基礎資料となります。

 「収納管理」シートでは口座引落の翌月の口座引落の準備が月末には必要となります。口座引落の準備はマクロによって当月の表を下部に複写しておこないます。この際、この時点で未収となっているものは、未収金発生の取り扱いになり戸別に「未収金管理表」に転記するようにマクロの中に書かれています。

 入金があった場合は、「収納管理」シートのマクロを操作すると収納欄に転記され、未収金が消えます。

 「収納管理」からのマクロ転記でなく、分割納付時の記帳もできますが、収納管理表の未収金との突合が重要です。

 表の最上部の残高が#NAと表示されていますが、収納欄に記帳があると正常な数字が表示されます。

7.管理費・修繕積立金収納管理表

 収納管理表は、大きく3つのブロックで説明します。Aブロックは各戸ごとの管理費、修繕積立金などの明細です。Bブロックは請求内訳ごとの集計表、未収、口座引落額の集計です。Cブロックは、収納手順が書かれており、それに従ってマクロによって収納金の転記や未収金の転記などを行います

  Aブロックについて解説します。

 「2.準備」で説明したように、室番号、区分所有者、徴収の明細を入力します。収納日は、この表の上の引落入金日に日付を入力すると、収納日欄は薄緑色に変わり未入金状態になります。「全戸仮入力」のマクロをクリックすると、全てに日付が入力され全戸入金された状態になります。ここから、口座引落が出来なかったところの収納日をDelキーで抹消します。薄緑色に変わり未収の状態を示しています。この例では、303号室と503号室が口座引落出来なかったことを表しています。

 「駐車場」「その他」は自分のマンション管理規約、会計規則に従って管理費、修繕積立費とするため、準備で各合計の計算式は変更しておきます。オリジナルでは、「駐車場代」は修繕積立金に集計されます。「その他」は管理費に集計されます。

 口座引落が出来なかった部屋の収納日を消してBブロックの集計が銀行からの引落報告書と合っているか必ず照合します。この月の内に納付された場合は、収納日に日付を入れ該当のところの日付にカーソルを当てます。その状態で「戸別収納転記」のマクロをクリックすると、該当の箇所が管理費、修繕積立金のシートにそれぞれ転記され、入金されます。勿論、通帳との日付は同じにしておきます。

 このシートが、管理組合の債権明細になりますので、確実に記録し運用しなければなりません。

 

 Bブロックについて解説します。

 まず、口座引落日を入力します。この例では、「2021/04/01」と入力しております。この日に口座引落出来た集計表となります。

口座手数料を引いた口座引落額868,200が「管理費通帳」に振り込まれます。

 口座引落が出来なかった所の収納日を削除すると未収扱いとなり、このブロックの表に集計結果が表示されます。未収額が表示されこの月分の未収額の総額が表示されます。引落件数もここでは40戸の内2戸の引落が出来なかったので38と表示されています。

 

 Cブロックについて解説します。

 ここは、このシートの操作方法を説明し、それぞれマクロのボタンを配置しております。

 個々のマクロボタンの説明は、書かれているとおりですが、シート間のデータ転記を間違いなく早く出来るようにという趣旨で作っています。この部分は、動画を見てもらった方が理解しやすいと思います。

8.決算書シート

 決算書シートには、管理組合総会議案書となる決算書が掲載されています。各シートに記帳した数値が所定の様式でここに集計されます。各会計の収支計算書、損益計算書です。必要なところをコピー&ペーストで総会議案書に貼り付けてください。

 予算は、ここに直接書き込みます。期の途中では会計の執行状況をリアルタイムで把握することができます。

9.計算シート・月別収支表

 計算シートは、準備で説明したように自分の管理組合の会計に従った勘定科目に書き直したり、集計される場所です。

 管理費については、決算書での予算進捗で管理すると同時に月別に管理していくことが管理上重要です。例えば、予算項目で上げている設備点検をいつ支払ったかなど、事業執行の管理にもつながります。

 管理費月別収支表は、収入や支出の日付で月別の勘定科目ごとの収支を計算しています。