<2021年度事業報告>

  年初から、新型コロナウィルス感染対策の徹底が求められ、定期総会は議決権行使書での開催となりましたが、皆様のご理解とご協力を頂きありがとうございました。

マンションの維持管理に関する相談は184件あり、修繕関係は98件(46増)、法律関係33件(22増)、管理関係45件(14減)、その他8件(10減)でした。二つの老い(建物と居住者)を反映した相談が増えてきました。

セミナーは、11月と12月に4回対面で開催できました。なお、出席されなかった会員向けに、セミナーの録画ダイジェスト版をホームページ上に公開しております。フルバージョン判を会員専用ページにUPしました。参加いただいた方も、再度、確認いただきたいと思います。

昨年度、江戸川区マンション協議会から、「熊本地震復旧の体験からの学び」を共有したいとの申し出があり、防災勉強会をしました。

本年は、首都圏の港区高輪防災コミュニティー、世田谷区マンション交流センター、グランソシエ国立の防災教育に講師・コメンテーターとして協力しました。

マンション地震対応箱(MEAS)は、東京都の東京防災で活動中の江戸川区内マンション協議会の奥田建蔵氏・()イオタと連携して、「MEAS推進協議会」を立上げました。2月以降の販売推進活動は「MEAS推進協議会」に移行し、今後の展開を図ることになりました。

また、大規模修繕工事支援事業と熊本市の補助金対象の管理規約整備支援事業をそれぞれ1件受注しました。

2021年度活動実績

①相談・助言

相談件数   184

来所や電話  145件(65管理組合他)

支援で訪問    39件(10管理組合)


内訳

(ア)法律関係 33

管理規約

13

共有部分

6

費用負担

2

その他

12

 

(イ)管理関係 45

総会

3

理事会

18

管理業務委託

1

駐車場

1

会計決算

1

入会

3

管理費

8

駐輪場

0

ペット

0

その他

10


 

(ウ)修繕関係 98

改修工事

54

設計監理

0

給排水管

5

長期修繕計画

3

業者紹介

13

水漏れ

7

劣化診断

3

宅配ボックス

0

インターホン

1

その他

12

 

(エ)その他 8

保険

1

新型コロナ感染

7


 

②法律相談会

 

1218日森弁護士


■グランソシエ国立ウェストウィング 地震発災時対応訓練へのWEB参加(web)

 

 東京都国立市のマンションで熊管連が作成した地震対応箱MEASを用いた防災訓練が初めて行われました。反省会に熊管連からコメンテーターとして参加しました。

 

日時:令和4年3月27日(日)8:45~12:00

名称:「無事ですマグネット」&「MEASを活用した初動訓練」

目的:マンションにいる住民がMEASを活用し必要な対応が取れる

   事を実現し、防災力向上を図ることを目的とした訓練

場所:グランソシエ国立ウェストウィング

参加者:管理組合役員、自主防災組織、住民ボランティア

取材:NHK 4月15日放送

 

NHKのWEBで記事が配信されています 

 



■たかなわ防災コミュニティ向上プロジェクト 講演(web)

 

 東京都港区高輪地区総合支所と管内マンション交流会の防災教育にマンション特有の問題について熊本地震での知見を共有するために下記の研修会が行われ講演しました。

日時:令和4年3月16日(水)18:00~19:30

タイトル:熊本地震で管理組合はどう対応したか

方法:ZoomによるWeb講演会

参加者:東京都港区高輪地区内のマンション交流会の防災担当11名

内容:

コメンテーター  江戸川区内マンション協議会 奥田建蔵

挨拶 「分譲マンション震災対応のポイント」

   熊本県マンション管理組合連合会 会長 堀  邦夫

講演 「熊本地震で管理組合はどう対応したか」マンション管理組合での体験談

   熊本県マンション管理組合連合会 ビブレ本山管理組合 稲田 雅嘉



■管理講座

 令和3年12月18日(土)17:30~19:30

 場所:パレア9階 第1会議室

第一部「管理計画認定制度の概要と今後の見通しについて」

   来年4月から地方自体がマンション管理状況をチェックする新制度         

   講師:熊本市都市建設局マンション支援班

第二部「理事になったら、監事になったら押さえておくポイント」

   善管注意義務について

            講師:森徳和弁護士

 第1部は、来年4月施行管理計画認定制度についての説明があり、マンションの適正管理に国が本腰を入れて動き始めた事を窺わせる内容であった。第2部は、森弁護士の分かりやすい講義で質疑応答も活発であった。

 講義と質疑応答の全収録ビデオと資料は会員専用ページに収納 

 

セミナー中の質疑に対してマンション支援班から回答がありました。

質問:「管理計画の認定を取得した管理組合の長期修繕計画等を参考にしたいので、支援システム等で閲覧できないか」

回答:「本市から国土交通省担当者に問い合わせたところ『各申請の関係者(認定者等)以外は閲覧できない予定です。』と回答がありました。」



■世田谷区マンション交流会セミナー 講演(web)

 

 東京都世田谷区と管内マンション交流会のセミナーに熊本地震の知見を発表することとなり、WEBにて熊管連から奥田理事が一部損壊マンションの復旧事例を発表し、高濱監事が震災5年管理組合の軌跡のアンケート結果を発表しました。東京会場では、古賀先生、江戸川区奥田健蔵氏がそれぞれ発表しました。コロナの関係で会場20名、WEB40名の参加でした。

日時:令和4年3月26日(土)14:00~16:00

タイトル:令和3年度第7回世田谷区マンション交流会セミナー

   実際の経験に学ぶー熊本地震で管理組合はどう対応したかー

会場:キャロットタワー生活工房セミナールーム

開催型式:会場とZoomによる併用

参加者:東京都世田谷区内のマンション交流会メンバー

内容:

第1部 熊本地震 一部損壊マンションの取り組み事例

   熊本県マンション管理組合連合会 理事 奥田俊夫

第2部 専門家からの発言

   元福岡大学工学部教授 古賀一八氏

   熊本県マンション管理組合連合会 監事 高濱義夫

   江戸川区内マンション協議会副会長 奥田建蔵氏



■東京のマンション防災教育にZoom参加

 2021年12月18日東京都国立市にある「グランソシエ国立 ウエストウイング」の防災教育として「地震対応箱MEASプログラム初動対応 検討会」が行われ、熊管連が被災経験からの意見を述べた。

 江戸川区マンション協議会の奥田健蔵さん、株式会社イオタが進める研修会で、MEASのコンセプトである大規模震災時に、“マンションにいる住民で動ける“仕組みを実現するを知ってもらい、震災があったときに効果的に役立てようというものである。


■管理講座

 2021(令和3)年11月28日(日)13:00~17:00

 場所:パレア9階 第1会議室

 1年半ぶりの対面セミナーで参加者36名。

第一部「集合住宅における高齢者をめぐる問題」13:15~14:30

        講師:熊本市高齢福祉課  技術参事 島田 那美氏

第二部「コスト縮減につながる維持管理」14:40~16:40

          講師:古賀 一八氏(熊管連技術顧問。福岡大学工学部建築学科元教授)

 今回初めてマンションにおける高齢者問題を取り上げて、市役所の出前講座にお願いしたセミナーであったが、会員からの反響は大きかった。セミナーでは「ささえりあ」の活用を知った。

 マンションの維持管理として無駄なお金を浪費しないようにするためにはどのような点に注意すべきかの教授があった。12年に一度の大規模修繕にこだわることはなく、弱いところのメンテナンスをこまめに見ていくことで修繕を引き延ばし財務力を強化することを勉強した。

 セミナーを丸ごと収録した動画と当日配布の資料は、会員専用ページに収納。



■鹿児島県マンション管理組合とタイル剥離の情報交換

11月27日マンション外壁のタイル剥落問題で熊管連のマンションと同じ問題を抱える鹿児島県マンション管理組合が来熊。現場を見学し、熊管連のセミナー講演で来熊中の古賀先生からタイル剥離の現状や仕組みついて勉強し、タイル剥離で既に調査が終わった熊本のマンション管理組合理事長とも意見交換した。


■管理講座「あなたのマンションは大丈夫?外壁タイルの落下」

 2021年11月27日18時30分から熊本市民会会議室にて開催された。講師は、古賀 一八氏(熊管連技術顧問。福岡大学工学部建築学科元教授)、22名の参加。

 外壁タイルの落下は、人や物に被害があることが多く危険であり、管理組合としても対策が急がれるのであるが、タイル浮きの調査や補修は金額が大きく管理組合にとっては大きな負担である。

 外壁タイルの落下の原因を建築的に詳しく説明し、最近の判決の傾向にも言及した内容であった。施工不良であった場合は、施工会社との折衝を伴う重たい事案となる。講義録画は会員専用ページ



■大規模修繕支援

 2021年11月21日エイルマンション新屋敷レガリアの大規模修繕工事の支援活動で今回はシーリングひも状接着試験に立ち合った。

 シーリングが適正に打ち替えられているか任意の8箇所の検査を行った。管理組合修繕委員5名に熊管連も同行した。検査の目的は使用材料と施工方法の確認である。

 工事の節目で管理組合が検査等に立ち合うことによって、任せっぱなしにしない適正な工事が進められる。

 検査の動画をこのホームページ「情報」「大規模修繕」で公開




大規模修繕勉強会

 2021年11月14日熊本市中央公民館大ホールにおいて、大規模修繕が具体化している6管理組合から15名の修繕委員会メンバーが参加して勉強会を行った。

 講師は、現場代理人経験の当会技術顧問と萩原理事があたり、大規模修繕は、施工会社や設計に任せっきりではいい修繕はできない、どのように工事に関わったらよいか、具体的な方法や考え方を勉強した。

 受講者からも積極的な質問があった。


マンション管理規約整備支援

 

会員のガーデンコーポ水前寺は、熊管連の支援で管理規約の整備を進めています。9月からスタートして5回程打合せを行い、2022年1月のマンション管理組合総会に諮る予定である。

 熊管連では、国交省が示している標準管理規約に熊管連が独自に推奨する条項を加えた熊管連標準管理規約をもとにして、管理組合役員と勉強会で理解を積み重ねながら規約整備を支援して行く。

 今回は、マンション管理士の資格を持つ渕田理事が担当しており、マンション管理の基礎を学びながら作業を進めている。

 この事業は、熊本市分譲マンション管理規約整備支援事業の補助金を活用して行われている。熊管連にご相談ください。


■震災5年のアンケート調査実施と報告

  熊本地震2016年から5年を迎えるに当たり、熊管連では会員マンションの復旧の状況について、現状を整理し課題を確認することが今後のマンション管理組合の支援活動に必要と考え、令和3年(2021年)3月18日、熊管連の正会員78会員を対象としてアンケートを実施した。53会員から回答が寄せられた。

 ①復旧工事の現状 ②復旧工事を裏付ける資金の問題を管理組合はどう解決したか ③被災の状況と支援を受けるための罹災証明書や資金の裏付けとして地震保険の判定について管理組合はどう働いて、復旧に繋げたのか ということについて調査した。

 震災5年で復旧工事は完全には終わっていない。復旧工事資金のために管理組合が苦労した事を窺わせる内容となった。

 築年数と被害の程度についても比較した。